壊れた機械いろいろ

 機械は壊れるものです。
 ここでは、私が最近いじったものをご紹介します。


■ビデオデッキ

 以前、0018に書いたビデオデッキですが、あれから調子よく動いてくれていたのに、最近、
テープに傷がつくようになり困っています。傷は、テープの下側のフチにシワがつくような具合で
す。

 私はビデオの修理は専門ではなく、「消耗品キット」を使って、専門の人の指導を受けながら、
3回ぐらい修理をした程度の経験しかありません。複雑なメカが厄介です。ギヤの1ヤマのズレで、
ますますわからなくなる、あるいは、さらに壊すかもしれない、という世界です。

 これは「音声・コントロールヘッド」、「キャプスタン」(一般的には金属の棒ですが、この機種は
黒いプラスチックに囲まれています)、「ピンチローラ」(黒いゴム)です。

 テープに傷がつくときは、テープが蛇行して下にズレます。ヘッドと、ピンチローラの間のポストの
所で見るとよく分かります。上の写真は正常な走行状態ですが、傷がつくときは、テープが下に
ズレて、ピンチローラを通過する所でクチャクチャになっています。

 再生していると、チリッ、チリチリッ、という、クチャクチャになる時の音がするので、素早く!!
取り出します。そのまま放っておくと傷がつくばかりです。一度、傷がついたテープは再生すると
映像が乱れます。貴重なテープが台無しです。

 テープに傷がつく原因はいくつかありますが、結果から言うと、原因はこれのようです。

 何やらフェルト状のものが、不自然にブラブラしています。明らかにはずれています。供給リール
の周囲に、見えにくいですが透明の帯が見えます。本来このフェルトは、その帯に貼り付いてい
たものでした。

 これはブレーキバンドといって、供給リールの回転を規制して、テープのテンションを一定に保つ
ものです。これが機能していなかったから、テープのテンション(張り)が保てなくて、蛇行の原因
になったのかな。

 よく見ると、こんなの壊れて当然という気がします。糊でくっついているだけですもんね!

 応急処置ですが、両面テープを細く切って、フェルトを元の状態のように貼り付けて、いまも使って
います。


■ノートパソコン用ハードディスク

 これは修理の話ではありません。さすがにハードディスクは修理できません。

 超忙しい仕事中に突然壊れて、いつもならバックアップしているのに今に限って忙しいから
バックアップしていなくて、電源を入れ直してどうかもう一度だけ起動しておくれと、ささやかな祈りも
パソコン相手には通じなくて頭に来た〜!! という状況なら、床に投げつけてやりましょう(笑)

 私は、いつも捨てる前に、分解して遊んでおります。でも気を付けないとケガするよという例を
示しましょう。



 説明するまでもありませんが、円板が砕け散っています。これはガラスでできているのでした。
アルミのほかに、ガラス製のものもあるとは聞いていたけれど、ガラス製にお目にかかったのは
初めてでした。

 最初、ねじ回しでガンガン叩いてみて、うーん、大丈夫だな、ガラスじゃないようだな・・・と判断
したのがまずかった。円板を取り出して、両手でグニャと曲げようとしたら、いきなりパーン!
砕け散って、顔に破片を浴びましたよ。幸い、目に入らなかったけど、上の写真のようにスルドイ
破片が多いから、もし目に入っていたら大変な事になっただろう。

 この破片が部屋中に飛び散って、必死で掃除したけど、半月ぐらいたってからふと発見するよう
な状況です。まだどこかに潜んでいるかもしれません。

 破片が飛び散った直後、気を付けていたつもりだけど、椅子の上に破片が落ちていた。うっかり
椅子の上に足をのせたら、グサリと・・・イテテテテ!
 右足のかかとの内側。痛い。


■自動販売機

 なぜだか自動販売機を修理してくれとの依頼。いったい私は何屋さんなのだろう。
 症状は、「つり銭が出ない」。

 ユニット名は知りませんが、「小銭が貯め込まれていて、払い出しをする部分」を取り出して
調べる事にしました。

 そのユニットの底から開けてみました。まず底板を取り、その下のフタを開けて・・・


 ここを開けるときは、ちょっとやばそうな(戻せない)予感がします。片側には銀色のシールが
貼ってあり、それがちょうつがいの役割も兼ねています。ついでに組み立て図も書いてあります。
 右の写真が、壊れていた部品。


 なんとまあ、ポッキリ折れています。こういうのをボンドで接着して、長く使えたためしはありません。
どうしても、接着して応急処置してくれと言われたので、ダメもとでやってみました。
 まず、よく洗って乾かしてから、接着剤は2液混合エポキシで、接着面に薄く塗るのではなく、少し
はみ出す(メカの動きに支障ないような)程度に塗ると耐久性が少し増すような気がします。

 こういうメカ部品がプラスチックでできているというのは、あまり耐久性を重視していないのではない
でしょうか?メカは専門じゃないのでよく知りませんが・・・。コストギリギリで、ある程度の耐久性が
確保できるギリギリのプロの設計なのかもしれません。これが割れたのは、異物が入ってかみこん
だか、老朽化(昭和61年というスタンプ有り)のせいかもしれません。材質にもよると思いますが、
プラスチックは古くなると固く、もろくなるのかもしれません。

 昔、うちのばあちゃんの店にあった自動販売機で、このユニットだったと思いますが、修理して
もらったらユニット交換でウン万円でした。やはり機械は壊れるようにできていなければ商売に
ならないのでしょう。

 部品をシリコンで型取りして、樹脂で成形して同じものを作ったらどうでしょう。でもそれにお金が
かかったら意味がありません。

 さて元に戻す事を考えれば、このカラクリがどうなっているか理解しておくことが大切です。まず、
左の写真で、白い丸が2カ所ありますが、これはモーターです。モーターの円板に1カ所だけ突起が
あってそれが右の写真の白い部品を左右に動かすようです。

 穴がポッカリ4つあいているのは、500円、100円、50円、10円であろう事は容易に想像がつき
ます。実際に払い出しをする時は、その1種類だけを選択することになりますが、さて、このメカで
どうやってそれを実現しているのか。

 これを書いている段階ではもう忘れてしまいました(をいをい)。いじっている最中は、理解したつも
りだったのですが・・・おいおいしっかりしろよ。

 さっきのモーター2個の間に、よく見ると水平方向に白いプラスチックが顔を出しています。これが
どうも左右に動いて、まず、左の2つか、右の2つか、という選択をするみたいです。
 左の2つのうちのどっちか、あるいは、右の2つのうちのどっちか、これは左右のどちらのモーター
を回すかという事でしょう。

 いや逆かもしれない。モーターが、左のグループか右のグループかを決めていて、真ん中の白い
やつがグループの中のどちらかを選ぶのかもしれない。もう修理して現場に入れてしまったから、
今さらわからないなあ。

 間に1日はさんで、さっきの割れていた部品の接着がしっかり固まったところで、組み立てを行いま
した。メカの組立は、組み立て図のシールが貼ってあったので助かりました。でも1回目のテストでは
ひっかかってうまく動かなかったのです。バラして、かみ合わせの悪いところをちょっと動かして
もう一度組み立てたら正常に動作するようになりました。

 あかるいナショナル〜〜〜みんな〜うちじゅう〜な〜んでも〜ナショナル〜〜〜
 懐かしいこのロゴマーク。天下の松下幸之助。


 「松下電器は何を作っているのかとたずねられたらどう答える。」
 「電器製品です。」
 「あかん!!松下電器は人をつくる会社です。あわせて電器製品も作っておりますと、なぜ
 言えんのか!」
 ・・・松下幸之助の本を読んで、このへんがやけに印象に残っています。

 「駄賃のせてんかー」
 (もういいです)

 別の不要な自販機から、この部分のユニットを持ってきて交換できないかと思ったのですが、
実際に確かめたら、同じメーカーでも年代が違いました。コネクタの配線が全然違いました。


 (左の写真) 排水口です。なぜこれが付いているのか。じつは、10年ぐらい前、硬貨投入口
         から液体洗剤を流し込んで回路をショートさせ、小銭を盗むという被害がありまし
         た。今回修理したユニットにはこれがありませんが、この写真の新型のユニットは
         対策が施されています。いまはみんなこういう対策がされているでしょう。
 (右の写真) 正面から見たところです。液体はそのまま真下へ流れ、硬貨は、右側へ行くよう
         になっています。この部分はドアのように開くのですが、じつは返却レバーで操作
         しているのはここなんです。詰まったら、硬貨の経路を開いてやるんですね。上の
         白いレバーが、返却レバーにつながっているわけです。



 (左の写真) 松下ツインタワー(笑)。左のタワーは新型ユニット、右のタワーは今回修理したものです。
 (右の写真) 新型ユニットの下のカバーをはずしたところ。工具なしで、硬貨の経路はすべて点検する
        事ができます。



 さて、修理してから何日かたちますが、壊れたとも何とも言ってきません。もっとも、今度壊れたら、
予備のもう1台を運び込んで交換するという話になっています。ただそれを運ぶための台車をどう手配
したものやら頭をかかえているところです。何人がかりでも持ち上げられないし、狭いところに機械を
入れるには人がかかえるわけにはいきません。
 (自動販売機の業者は、重い機械を軽々と運べる特殊な台車を使っているようです)


 私の出身の田舎では、小学生の頃、通学路の途中にジュースの自販機が設置された事がありまし
た。ところが悪ガキが多く、自販機の腹にケリを入れるヤツがあとをたちませんでした。ボコボコに
へこんでいて、見るも無惨な状態をさらけ出していました。
 なんでも、ケリを入れるとジュースや小銭が出てくるそうで、みんな通りすがりにケリを入れていま
した。私はしませんでしたよ!
 管理しているオジサンがコラー!と怒っていましたが、小学生がこんなにも治安が悪いせいか、
結局、この自販機は撤去されました。
 いつも監視できない場所に、金品の入った箱が置かれていたら荒らされます。うちのばあちゃん
の店の自販機も、山のほうで、夜は周囲に誰もいませんし家もありませんから、荒らされた事があり
ました。


 学生の頃、昼食は相棒と外で弁当を広げていました。その日に行ったのは、あまり人けのない
公園で、そこの自販機にお金を入れたら反応がありませんでした。またお金を入れれば詰まってる
のが取れるだろうと、さらに追加したらそれも詰まってしまいました。ミイラ取りがミイラってやつ?
 返却レバーを何度動かしてもダメです。ゲゲー!オレのカネかえせ〜〜〜!!連絡先も書いて
ないし、困ったもんです。

 こうなれば、何としても取り返すための努力をせねばなりません。たかが100円かそこらですが
学生でカネが無いし、何より、み〜っけ、もらったぴょ〜ん、と私の詰まらせたお金を手にして喜ぶ
人を想像すると非常に腹が立ちます(笑)。

 相棒とふたりで、体当たり&キック攻撃を繰り返しました。念のため、これは「正当防衛」?です。

 すると、返却口から何か出てきました。ジュースのプルタブです。現在は分離しないようになって
いますが、当時は、はずれるようになっていました。そのわっかの部分が詰まっていたようです。
それがいくつか出てきたあと、100円がザラザラ出てきました。
 子供のいたずらで、異物が詰まっていたのでしょう。
 ザラザラ出てきた100円をどうしたのかは忘れました。なんせ昔のことなので。


 また人けのない所の自販機で、小銭がなかったので1000円を入れました。吸い込まれたので
すが、エラーなのか戻ってきました。ところが!!どうしたことか、内側の上のほうのスキマに
入り込んでしまい取れなくなりました。ガーン!!
 つまようじでひっかけて取れないかと思ったのですが、どうもうまく取れません。あまりやると
破れそうです。

 人けがないと言っても、道路の向こう側は駐在所(笑)。あまりあれこれいじくり回していると、
あらぬ疑いをかけられてしまいます。しょうがないので、その自販機に書いてあった連絡先を
メモして、あとで電話して「会社まで持ってこい!」と、翌日持ってきてもらいました。ホッ。


■パトライト

 自動販売機のついでに直してくれとの依頼です。
 いや、パトライトのついでに自動販売機だったかもしれません。

 看板に取り付けて使っていたパトライトが、電球は光っているけど回らないという状態になった
そうです。
 フタをゆるめて、手で回してみましたが回りません。見ると、ゴムがゆるんですべっているのでは
なく、モーターの軸そのものが回っていません。これはモーターの故障です。

 1日12時間回して、1年ちょっとで回らなくなったとの事。屋外で使っていたせいもあるでしょ
うが、あまり長持ちしないんですね。
 回転部分のゴムも劣化してヒビが入っていました。

 モーターだけ手に入らないものだろうかとメーカーに問い合わせましたが、他の箇所も劣化して
いるので新しいものを買う事にしました。

 このパトライトの品番はRG−100だったか、忘れましたが、現行品ではないようです。ホーム
センターで、似たようなKG−100というのを購入しました。


 ほら、反射板が劣化しています。シワシワです。電球の熱の影響でしょうか、湿気でしょうか。


 これが壊れたモーター。

 分解したら、黒い粉がボロボロ出てきました。ブラシ(電機子)が摩耗して、ほとんど
無くなっていました。

 ここにブラシレスモーターを使えば、寿命はグーンと延びるでしょう(当たり前)。でもそうすると
商売になりません(笑)。


■ルーター

 調子の悪いルーターをもらってきて、分解して遊びました。

 これが原因じゃないけど、ほら、最初からピンが曲がってる!!


 カッターの刃の先で、ソーッと戻して、きれいに修復しておきました。でも使わないから
意味無し。

 ついでに基板の写真を掲載しておきます。カニさんチップが載っていますね。


 これがARMってやつ?(さっきの足が曲がっていた石)


■ノートパソコンの液晶

 VAIOノートの液晶画面が光らなくなり、調べたらインバータの基板が焼損していました。





 棒のようなものは圧電トランスというものです。電極がはがれていましたが
なんとかハンダ付けできないものかと挑戦してみました。でもダメ。

 インバータだけ売ってくれとお願いしてもらったのですが、ダメだそうです。
ケチ。(をいをい)

 格好が悪くなっても使えれば良いなら、秋月で買ったインバータをケースに
入れて、背中に貼り付けましょうかと提案したのですが、拒否されてしまいました。


■ハブ

 個人的に初めて買ったハブですが、あるポートだけ調子が悪くて、なぜなのか不明でし
た。これが現役を引退したので、分解して調べたら・・・。



 ちょっとボケていますが、右から8番目のところでハンダブリッジしています。ディップ漕の引き上げ
の段階でブリッジしたのでしょう。困ったもんですね。






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