資料 「ビブリオマニア2」

 bibliomaniaとは蔵書狂という意味です。
 ここでは、私のお気に入りの本を紹介しています。現在、入手可能とは限りません。
 また、本の販売や、コピーサービスを目的としたものではありません(対応できません)。  


1. 「スパイ・ブック」

書名: THE ULTIMATE SPY BOOK スパイ・ブック
著者: H・キース・メルトン(H.Keith Melton)
訳者: 伏見威蕃
発行: 朝日新聞社/1997年9月20日 第1刷発行
ISBN: ISBN 4-02-258635-4
定価: 本体¥4,700+税

※右の写真は、スキャナ(A4)からハミ出したので
右側がちょっと切れています。
 これは最近、ふらりと立ち寄った長崎県立図書館で発見。面白いのでハマってしまった。
こりゃあ、手元に置いておかねばと、さっそく注文して取り寄せた。すでに絶版で、最後の1冊。
値段が、けっこうしますね。

 元CIA長官と、元KGB第一管理本部長の2人が、まえがきを書いている。かつての敵同士、
いまは敵ではなく、ともに、まえがきを記す事ができるのは喜ばしいという。

 内容は、スパイが使った暗号機械や武器などの紹介。文書の偽装・隠匿方法。スパイ衛星。
カメラ、監視装置、盗聴器、錠前破り、脱出、破壊工作、爆薬、対監視工作、無線機、暗号、
マイクロドット、秘匿方法、スパイ網、偽装と伝説、暗殺、スパイ訓練、などなど、盛りだくさん。
全ページカラーで、興味深い機器の写真などが楽しめる。

 いかに小さく作るかとか、いかに秘匿するかとか、そういう工夫がこれらの秘密兵器から
感じとれ、とても興味深いものです。

2. 「初歩のステレオ製作技術」

書名: 改訂 初歩のステレオ製作技術
編者: 初歩のラジオ編集部
発行: (株)誠文堂新光社/昭和53年7月1日 改訂第2版発行
ISBN: なし
定価: ¥1,100(当時)

 いまの時代、このような「濃い」本がなくなりましたね。
 ちなみに私は、その頃からこの本を所有しているわけではなく、どこかの古本屋で発掘しました。
宝物を見つけたような気分でした。
 前の持ち主の書き込みが至る所にあり、ずいぶん熱心に勉強したんですねえ。


 ↑これは回路の解説をしているページですが、回路図を理解するには、とか、回路図から動作点を
知る方法の例、など実に詳しく書いてあります。下の4コママンガは、第1段階:実体配線図と回路図
との関係、第2段階:回路図をみてだいたいの回路の働きを知る、第3段階:細かな動作点や回路の
意味を回路定数から算出する、第4段階:自分で回路を設計する、と書かれています。
 回路の勉強の仕方まで述べてある。


 ↑工作上のノウハウとして、「ボロかくし」の方法までよく書いてあります。
 持っていない工具を、家にあるもので代用する方法があります。
ハサミをリーマーに・・・時間はかかるけど、加工可能だとか。爪切りをニッパーの
代用にするのは、プラモデル作りでもよくやりました。アルミ板を曲げるのに、机や
タンスに挟み込んで曲げるとか。画鋲を打って金床の代用にするとか。
 使い古した自作アンプをバラして、生まれ変わらせる方法とか。

  第1章 ステレオ・ハードウェア入門
  第2章 セットを自作するための知識(トランジスター編)
  第3章 セットを自作するための知識(真空管編)
  第4章 自作するための工作百科
  第5章 自作セットのトラブルとその対策
  第6章 ステレオ・アンプとスピーカー・システムの製作

 製作手順などはイラストが多用され、見やすくなっています。読むだけでも楽しい
本です。


3. 「初歩のラジオ技術」

書名: 新版 初歩のラジオ技術
編者: 初歩のラジオ編集部
発行: (株)誠文堂新光社/昭和56年12月21日 第1版発行
ISBN: なし
定価: ¥1,300(当時)

 これも良い本です。勉強になります。
 各種計算図表の見方・使い方、配線図・実体図・部品表つき。
  第1章 電波と受信機のいろいろ
  第2章 部品を正しく使うために
  第3章 タマや石を自由に使いこなそう
  第4章 配線図と実体図
  第5章 受信機の回路のはたらきをおぼえよう
  第6章 ぼくも君もみんなで設計しよう
  第7章 部品の配置と穴あけに強くなろう
  第8章 だれにでもできるラジオとアンプの製作
  第9章 きみにもできる調整と故障修理
  第10章 応用回路のいろいろ
  第11章 知っておくと便利な技術資料

 至れり尽くせりです。うーむ、これ1冊あれば十分ですね。
 著者は、泉弘志さん、田嶋一作さん、奥沢清吉さん、などです。

 それと下村隆一さんのコラムが、数ページおきにあって、これもまた面白い。
 いい気分転換にもなります。

 ↑たとえば、こういうものです。
 アンペア(電流の単位アンペアの人)は、ひどい近眼だったとか、忘れん坊だったという
エピソードが書かれています。
 自分の部屋に知人が遊びに来ると勉強ができないので、アンペアは不在ですという張り紙
をして、邪魔が入らないようにしていました。ある日、彼が散歩に出かけ、帰宅したら、
ドアに「アンペアは不在です」と書いてあるのを見て、ああ、オレは不在なんだと、超トボケタ事
を思いつつ、外へ出て行ってしまったとか。

 これとはあまり関係ありませんが、誰だったかな、著名な科学者ですが、猫が好きで
ドアに猫が通る穴をあけていたんですが、子猫が生まれたので、使用人に「子猫が通る
穴もあけてくれ」と頼んだとか。あのー、親猫の穴で子猫も通れますがと・・・。
 ニュートンだったかな。忘れた。天才は、妙なところが抜けてるんですね。こういう
エピソードを知ると、親しみがわいてきます。


4. 「Z80 マシン語秘伝の書

書名: Z80 マシン語秘伝の書
著者: 日高 徹
発行: 啓学出版株式会社/1990年8月31日 第3刷発行
ISBN: ISBN4-7665-1038-0
定価: 本体¥1,748+税=¥1,800

 この本には、ずいぶんお世話になりました。もう買ってから10年たちますが、今でも役に
立っています。
 シリーズで、「8086 マシン語秘伝の書」というのがあって、これも買いましたが、だいたい
内容的には同じです。CPUの違いだけで、ネタは同じです。

 この本は、ちょっと変わった構成です。単なるサブルーチン集/プログラミングテクニック集
なら、単にリストを載せて解説がチョロチョロ書いてあるだけですが・・・。これは、すべて相談者の
質問に答える形になっています。

 最近、著者の日高徹さんのWebを見つけたら、この本のバグ情報がありました。巻末の命令表
の間違いは、この本を買った’90年頃に相棒が指摘して知っていたのですが、他にもいろいろ
バグがあったんですね。


 手元にあるこの本には、自分が気づいた事を色々と書き込んでいました。

 Z80でAをゼロクリアする時はXOR Aと記述するのが一般的です。LD A,0だと1バイト余計
ですからね。でも、いつだってXOR Aで良いわけじゃない。たとえば、フラグが変化しちゃいけない
時はLD A,0とします。
 あと、ポートをON/OFFしてパルス出力する場合・・・・・・
              LOOP:
                     LD A,0
                     OUT (PORT),A
                     LD A,1
                     OUT (PORT),A
                     JP LOOP
 もしLD A,0をXOR Aと記述したら、命令実行時間がLD命令より短いですから、出力されるパルスの
デューティが変わりますよね。もし50%にしたいのなら、上記のようにLD A,0とします。

 さらに、プログラムの流れ上、命令が省略できる時ってありますよね。
              TEST:
                     DEC A
                     JR NZ,TEST
                     XOR A
このプログラムをよく考えてみれば、TESTループを終えた時にAはゼロになっているわけで、そこで
あえてXOR AとしてAをゼロにしなくてもよいわけです。だからXOR Aは省略できるんですね。

 案外知られていないような命令としては、LD (HL),0がありますね。次のようなプログラムで・・・・・・
              XOR A
              LD HL,1234H
              LD DE,1235H
              LD BC,123
              LD (HL),A
              LDIR
XOR Aを削除、LD (HL),AをLD (HL),0にすれば、10ステート節約できます。大した事じゃない
か・・・ループの中にあるわけじゃなし。まあ、少しスッキリするとは思いますが。

 HLとDEを比較する方法ですが、この本の112ページにあるもののほかに、自分で次のような
プログラムを書き込んでいます。
              CPHLDE:
                      LD A,H
                      SUB D
                      RET NZ
                      LD A,L
                      SUB E
                      RET

 まあ、この本で最初にインパクトを感じたのが、11ページのやつで・・・Bレジがゼロかどうか調べる方法
ですが・・・・・・
              INC B
              DEC B
と記述すれば、フラグだけ変化するわけですよ。Bを+1して−1すれば数値は変わらないけど、
フラグは変化するんだ。にゃるほどー、と思いました。
 もしこういう発想がなかったら、おそらく、いったんAにロードしてからOR Aするでしょう。

 あと、自己書き換えを利用したプログラムがこの本にはいくつか紹介されていましたが、これだけは
個人的に避けるようにしていました。だいたいROMに焼く前提でプログラムを作っていましたから。

 自己書き換えを逆に利用して、ゲームソフトのコピー対策をしていた例もありました。昔、MSXなどの
ROMカセットの内容をコピーして、RAM上で実行する例がありました。
 もしROMの番地に対して書き込みをしても書き込まれませんが、RAM上なら書きかわります。だから、
もともとのプログラムに、わざとROM上の番地に対して、書き込みをするような命令が入れてあった。
ROMなら正常動作しますが、RAMならプログラムが書きかわってしまい、暴走するんですね。

 本の内容より余談が多くなりましたが・・・・・・。
 そうだ、だれか「PIC秘伝の書」書きませんか? メーリングリストとか見てると、基本的なアルゴリズム
の質問を時々見かけます。最近そういう本が無いからかも。だから、あればいいなあと思う。

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