マイプロジェクトX 「ひみつ3」
ひみつ2もまだできていないのに、ひみつ3って、なんなんだか。趣味だから、義務も納期もなくいい加減なものだ(笑)。
何をやっているかというと、0033の続きみたいなもので、ビデオスーパーインポーズを研究している。
スーパーインポーズの原理は、どこかに書いたかもしれないが、同期信号を基準にして文字の表示位置を決めている。
そして、その表示タイミングがきたら、映像信号を切り換えて、キャラクタジェネレータからの信号を挿入するわけだ。これで
元の映像に文字を重ね合わせる。
もし同期信号に追従できなかったら、文字が崩れることは言うまでもない。水平方向が特に問題になる。まずは、これで
困った経験を話そう。
信号源として、以前作った秋月電子の「NTSCカラーパターンジェネレータキット」を使っていた。ビデオやテレビが信号源
だったら映像が動いて測定しづらいから、必然的にこれを使っていた。だが、これがトラブルの原因になるとは、最初まったく
考えもしなかった。
スーパーインポーズ回路は、アルテラのロジックで組んだ。同期信号を4メガでサンプリングし、立ち上がりを検出したら
カウンタを回して、表示タイミングをとる方式だ。デジタル的な遅延回路というわけ。温度変化や電圧変化に対しても安定
している。
ようやく文字が表示できるぐらいの回路ができたので、テストしてみた。すると、水平方向がギザギザになってしまった。
なんでだろう。インターレースの関係か?いや違った。4メガでサンプリングしているからか?それでもないようだ。なぜだ
ろう?
同期信号って、そんなにふらつくものだろうか。それとも同期分離回路に何か問題があって、不安定なのか。いろいろ
疑って調べたが、問題ないようだった。
いろいろ試したが全く改善しない。何が悪いのかさっぱりわからない。困った困った。でもいつまでも足踏みしていたら
物ができない。とりあえず他の部分の設計に移った。
なんだかんだで2ヶ月ぐらい経過しただろうか・・・回路規模から考えて、アルテラ2個に分割することになり、大規模な
設計変更をした。その2個のうちの1個がビデオ周辺の回路で、まずは目に見える部分から作り、確実に動作させていこう
としていた。
再び表示回路が動かせる状態になったので、今度はサンプリングが16メガだし、以前よりは誤差が少なくなるに違い
ないと期待して電源を入れたのだが・・・ありゃ?やっぱり水平ガサガサだ!!なんで!!!!
こうなると何が悪いのかサッパリである。
でも何かしらアクションを起こしてみよう。何か変化があったら、糸口がつかめるかもしれない。そう思って、まずは映像信号
源を、ビデオにしてみた。
すると!ガサガサが明らかに小さくなった。何が違うんだろう?このビデオだけの問題かと思って、むかし作った(0033)
ディスプレイコントローラにつなぎかえてみた。つまり同期信号発生器の代用だ。結果は、さらにガサガサが減って、目立たない
ぐらいになった。
ここで秋月電子の「NTSCカラーパターンジェネレータキット」の説明書をひっぱりだして、眺めてみた。表紙には「プロの
仕様(使用の誤りか?)にも十分耐えられるようNTSC規格を第一に設計しています。」なんて書いてある。
なにっ、ダメじゃん!!
このキットは、AKI−80マイコンボードによって(ソフトで)映像信号を作り出しているが、ここに問題がある。ソフトの
限界がそこにあった。逆アセンブルしていないので、現段階ではあくまでも推測の域を出ないのであるが、おそらく、
割り込みのタイミングの微妙なズレか、プログラムの流れ的なもので実行時間が変動するため、水平同期が微妙に変動して
いると思う。だから、水平のガサガサが目立つのだ。
イカン! プロなのに(自称?)、こんなアマチュアな信号源に頼って開発を進めていたなんて・・・。計測器類は、基準だから
自作はしないで、信用できる市販品を選ぼうというポリシーでやってきたはずなのに、なにマヌケな事やってんだ(笑)。
そんなわけで、当分は深夜か早朝のテストパターンを頼りにして(笑)、調整を進めていくことになるだろう。いずれ、中古でも
良いから、ちゃんとしたパターンジェネレータを買おう。
この秋月キットは、ソフトで映像信号を作っている以上、限界があるし致命的な欠陥だと思う。同期信号発生は、専用ICを
使うべきだと思う。そうすれば同期信号の誤差は・・・いや、表示パターンとかも心配になってきたなあ。この際、全部ハード
ウェアで作ってしまうか?
なお秋月キットの説明書には、「for Professional 専門技術者のみなさまへ」という項目があったが、映像信号レベルとか
の記述ばかりで、同期信号については全くふれられていなかった。
●後日記
秋月キットの問題じゃないようだ。やっぱり自分の回路に何らかの問題が・・・。(ごめん秋月さん)
原因はいくつか重なっていて、ひとつはノイズだった。ノイズのせいで同期検出のレベルが狂って、水平タイミングがガサガサ
になっていた。それから、カラーバーストが同期分離に影響しているようで、フィルターの定数を見直す必要有りだ。さらに、
基本的な問題があるけどこれは解釈しだいで解決しそう。
写真が小さいが、この机上の基板らしき物が現状の試作機。配線がクシャクシャ。デジタル部はユニバーサル基板ICB−504が
2階建てで、アナログ部は大1枚、小2枚の構成。
●その後
そろそろ完成一歩手前といったところですが、ひたすら「執念」と「根性」であります。回路図の一部。
これは8ビットと4ビットのバス幅変換の制御回路の一部で、モジュール名は”FULL
MOON”です。由来は最近テレビで
やってるアニメらしいです(笑)。単に、4ビットのアクセス2回で8ビットのデータがひとつ揃うので、半月を2つ合わせて満月
だといいたいらしいです。後日・・・この回路はもっと簡単にできました。シンプルイズベスト。
●写真いろいろ
目に見える結果が、やる気を起こさせると思って、 まずはビデオ出力回路から作り始めました。 これは初めてテストした時の映像で、変ですね! |
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左の小さい基板が本体です。 右の3枚続きの基板は、むかし作ったディスプレイコントローラ 基板で、同期信号発生用として利用しています。 |
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MAX+plusIIで回路を修正したら、すぐ書き込んで 結果が確かめられるので便利です。 |
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どうにかこうにか文字が表示されました。 でもまだテスト段階です。 |
●2002年5月31日
基本的に動くようになったが、実動テストにおいて、起動から2〜3秒で「飛んでしまう」症状があり
ここ数日は原因がわからず悩んでいた。最初は正常な表示をするけど、すぐに崩れて、表示が消えたり
化け文字の羅列になってしまう。
ロジックを何度も何度も見直したけど、問題ないようだ。うーん、なにがダメなんだろう・・・プロジェクト
は、行き詰まった・・・(田口トモロヲ風)。
まさかホスト側の問題じゃないよなあと思い、オシロでタイミングの検証をした。ソースプログラムまで
調べて、手順に問題がないかひとつひとつ確かめた。問題ない。当たり前だな。ホスト側は完成品なんだ
から。
ところが・・・その測定中に気づいた事があった。正常に動いてる!!
どういうこと?? ハッと思った。そうだ、ノイズかもしれない。男は、立ち上がった・・・(田口トモロヲ風)。
オシロが接続されていると、症状が出ず正常に動作する。その信号はストローブで、仮にノイズが入れば
でたらめなデータやコマンドが送り込まれる事になるだろう。だからこの信号にノイズがのっていても
オシロのプローブの容量で、ノイズが抑えこまれているから、症状が出ないんだろう。
むかし、すでに市場に出回っていた製品で、たまにトラブルを起こして戻ってくる奴があった。これは自分の
設計じゃなかったが、おまえヒマだろうという事で、調査を命じられていた。まだ駆け出しの自分にはわかる
はずもなく、最終的には上司が徹底的に調べて、やっと原因をつきとめたのだった。
そのときも、とある信号にオシロを接続していると、症状が出ず正常動作していた。よく調べると、ノイズが
入っていた。1ボルトぐらいのヒゲが。
まさかオシロをつないだまま出荷するわけにもいかないから(アホか)、CRフィルタを付け、対策した。
設計的な問題もあったと思う。その信号の立ち上がりで、制御回路が起動するような方式だったから、
短いパルスも受け付ける、つまりノイズに弱いわけだ。
ひとくちにノイズといっても、原因は色々あるんだけど、その装置の場合は、パターンが長かったこと、
クロックと同じバッファICを信号が通ってきていること、あるLSIからの出力信号そのものにグラウンド・バウンス
によるノイズがのっていたことが原因だった(そのLSI自体のGNDが、パッケージピン数48本に対し2本しか無く
弱かったし、カドのピンなので長かった。このLSIがバスマスタになった時に、多数のピンを駆動するため、グラウン
ド・バウンスが発生しやすい)。
面白いのは、TTLの244なんか、じつは回路が4ビットずつ2グループになっていて(内部的に)、その
グループ内の信号はお互いに影響を受けやすいが、違うグループなら影響が小さかった。波形がそれを
証明していた。調査してレポートを提出した。以後の設計にも活かし、244のピンアサインに関しては
特に気を付け、基板設計依頼時には、その指示をしていた。
今回のやつは、ホスト側との接続ケーブルが30センチほどあり、この長さは機器の性質上やむを得ないが
やはりGNDが弱く、ノイズが乗りやすい傾向にある。
これがストローブ信号に乗ったノイズ。信号は正論理なので、通常Lだ。CH2は関係なし。
これは少し拡大してあるから、見れば、ああ確かにノイズだねえと思うだろう。ふだんデジタル回路だからと、
5V/DIVで見たりしていると、なかなか気づかない。
どうやってこいつをつかまえるかというと、TRIG LEVELを少しずつ下げていく。すると、うまくトリガされて
ひっかけられる。ロジアナを使う場合も、スレショルドレベルを調整していけば、こうやってひっかける事ができる。
(逆に言うと、そういう事ができないロジアナって本格的に使えない)
さっきの波形を、もうちょっと拡大したもの。
これを見ながら、フィルタの定数を決めるわけだが・・・もちろん信号の遅延を極力、小さくすること。デジタル回路
でもフィルタを実現することができるが、Dフリフリの分だけ遅延することを考慮する。
今回のロジックでは、ストローブの立ち上がりが基準なので、あまり遅らせたくない。だからCRフィルタにした。
で、これが調整中の波形。とりあえず1ボルト位まで抑えたら問題ない。これからもう少し定数を追い込んでいく。
これは仕様的にできないが、ストローブは負論理のほうが、ノイズマージン的に有利では・・・。
さて、ノイズの問題は乗り越えたから、次のテーマにかかりましょうかね。
これは昨夜の写真ね。この時は、原因なんか全くわからなかった。
●2002年6月3日
夕方、部品(トリマコンデンサ)が届いたので、ゲンロック基板が完成できた。できる部分は先に作っておいたので、
トリマをハンダ付けするだけ。
ゲンロックとは、水平同期信号に同期したクロックを作る回路。ここでは、水平同期15.73KHzから、14.31818
MHzを作り出している。これをシステムクロックとしてスーパーインポーズ回路を駆動すれば、ジッタによる水平方向の
ギザギザがなくなる。
これがゲンロック基板(小さくて見えん)。
ウヒョ、ひょっとしていきなり動くか? とりあえず動かして、波形を見てみよう。パターンジェネレータを入力につなぎ
ゲンロックのCLK出力をオシロで見る。おお、発振はしているが12メガぐらいだ・・・トリマを回してみる・・・よし、
14メガ近辺に合わせられるな。ところが・・・14.31818MHzに合わせようと試みるが、きわどい。バタバタ変動して
いる。こりゃPLLロックしてないな。ロック信号をCH2につないで観測してみる。バタバタだ。ありゃ。
なーにが原因なのか・・・まず配線ミスは無かった。それじゃ、あと何だろう。ノイズか?水平同期の検出からして
不安定な感触を得ていた。
電源ラインの強化を実施した。まずスイッチング電源から各基板への配線を、太いものに交換。各基板の電源入力に
電解を追加。とくにアナログ基板には、セラコンとコモンモードフィルタと、でかい電解(470マイクロ)を追加。ちょっと
大げさな感じもするが、ユニバーサル基板だからどうしても電源まわりは貧弱な傾向にあり、可能な限りしっかりした
対策をとる。
それから再度やってみたら、ありゃ、素直にロックしてしまった。基本的に安定している。
まだまだ道のりは長いが、最後にはプリント基板化したい。もちろん、自らパターン設計する。これでも基板設計の
教育を受け基板CADを扱ってきた。ただし家にはCR5000なんか無いから、フリーソフトの基板CADを使う。きっと
地獄を見るだろう(笑)。
そういえば、QFPの下にビアを打つなと言われたっけ。ディップ槽にかけた時に、ハンダがQFPの下に流れ込む
可能性があるからと言われた。
それなら、製造指示でQFPの裏側にマスキングテープを貼ればどうだと、製造経験者の私は言いたいところだが、
口ごたえすると「おまえは謙虚じゃない」と返されて、ああ言えばこう言う状態になるだろう。リフローだけで、ディップ
工程は通さないから関係ない場合もあるでしょとも言いたいところだが。
とにかく基本は、QFPの下はベタアースにしろと。複雑になってくればそうも言ってられないからビアは打って良い
と言われたから、そうやって課題をやっつけていたら、ダメだと言われて困惑。一体どうすればいいのやら、わからん
から課題放棄でハタン(笑)。
当然ながら、部品面QFPの下のベタアースを、はんだ面のアースとつなぐためなら、ビアは打っても支障ない。だって
GND同士つながっても関係ないもんね。
DIPだったら、ピンの間にも配線が通せるから、けっこうパターンが混んでいる箇所にも配置できる。ところがQFPは
完全に通せんぼである。ピン間なんか通せない。
基板設計の基本として、たとえば両面板の部品面のパターン方向は縦、はんだ面は横方向、のように決まっている。
QFPは部品面に配置するが、パターンは縦が基本だから、横方向への引き出しは最短にしてビアを打ち、そして
はんだ面で配線する。
しかしQFPは、部品面で行き先の部品までパターンが引けそうだから、縦横の基本を無視したくなる。そこが「臨機
応変」で「柔軟な考え」であって、その都度、判断していくものらしい。
まあ基板設計は、一日中テレビを見ていても何ともない人には向くだろう。私はダメだった。とにかく朝から夜中まで
画面を見続けるので、目が充血してしまう。よくやってられるなと思う。
ふだんパソコンを使っていても、画面上でドキュメントを読み続けるのは目がショボショボなので、いったん紙に出して
から読んでいる。回路図なんかは紙に出したほうが良い。画面だと部分しか見えないが、紙に全体を出すと読みやすい。
あっ、クロックのパターンはガードしろって言われたっけ。QFPのパターンだけで手一杯なのにいまさらどうしろって。
チクショーメ。ニャロメー。やっぱり、基板設計は「依頼する側」のほうが楽でいいわ。サヨナラー。
●2002年6月4日
まだ論理の作り込みが甘い部分アリ、バグっていた。いや、バグというより完成してなかったんだ。あまりにも低レベル。
まず今朝は、ノートに「今日は、この問題を解決する!」と書いて、気合いを入れた(笑)。
もう、最初の頃に作った部分なんか忘れかけている。ノートをめくって、おさらいをした。なんでココ、こうなってんだ?
さっぱりわからん。自分で作ったのに、その意図するところがわからない。自分がわからなければ、誰も助けようがない。
もっとも、頼れる奴なんかいない。じゃあ自力で解決するしかない。くどい。
回路のことを考えていたら、メシの事まで手が回らない。昼は、茶碗一杯のメシに梅干し1個。それとプリンが1個あった
ので食った。それだけ。
その後、横になって考えていたら眠くなり、気づいたら午後2時か。どこか見知らぬ土地をさまよっていた夢だった。
それから、最初の頃に描いたタイミングチャートをにらんでいたら、急に頭がまわりだし、「たぶんこうじゃねーか」と
考えを整理すべくノートに書き殴った。これでスッキリ。
メインシーケンサの処理は4つの部分からできている。
表示用のメモリは常に読み出して、画面に表示しなければならないので止められない。メモリの読み書きは、ランダム
に発生する。だから、このようにタイミングを分けて、アクセスが重ならないようにしている。見かけ上、同時に処理されて
いる。
乱暴な方法は、メモリのアドレスとデータをマルチプレクサで、アクセスのあった時のみブチッと切り換える事だが、
たまになら気にならないが、アクセスの頻度やタイミングにより画面にちらつきが発生する。
4つの処理。
1.テキストRAMを読み、その文字に対応するキャラジェネの番地を決定。
2.キャラジェネから文字パターンを拾う。
3.メモリからバッファレジスタへの読み出し。 ※要求時のみ。
4.バッファレジスタからメモリへの書き込み。 ※要求時のみ。
このうち最初の2つと、後半の2つとでは、ある論理が異なる部分に気づいた。うーむ、考えが足りなかった。
そして、この修正の論理を追加してテストしたが、なんか様子がおかしい。むむっ、なんか逆だぞ・・・もうひとつのチップ
からの信号の論理が逆だった。しょーもないミスだった。
で、解決したので、夜から新たな課題にチャレンジ開始。
いや、「次は○○○○○に挑戦する!」を書き直して、「次は○○○○○を完成する!!」にした。
こんなふうに。
を完成する!!
「次は○○○○○に挑戦する!」
●2002年6月7日
ゲンロックは英文データシートしかなくて、「チクショウ、鬼畜米英め、読めない言葉で書くんじゃない!!」と怒り狂って
いたのだが、どうにかこうにか、竹槍戦法で一段落した(なんやそれ)。
つまり、とくに重要そうな部分だけ拾い読みして、サンプル回路図通りに、とりあえず作ってみたのである。
もっとも・・・最終調整で、確認が必須だが!!
ここ2〜3日は、新たな論理を追加していたら、まともに動かなくなってしまい、とんでもない泥沼に足をつっこんで、
抜け出せないような感じだった。ここまできて動かなくなった。どうしようって。
いじっていたらわけがわからなくなり、しょうがなく、一歩手前の状態にまで回路を戻した。2つのチップが連携して
動いているので、まずどちらに問題があるのか切り分けをして、ひとつずつ確実に動くようにしよう。
シミュレータで調べようと思ったが、設定その他が面倒くさい。時間がかかるので、うざい。だから直接、現場に聞こう。
生のデータを自分の目で見るのである。それが一番早い。
LEDと抵抗を8個並べた基板をジャンク箱から掘り出し、配線をつけた。それを今回の試作機に接続、カウンタ値がナマで
見えるようにした。・・・そしたら一発よ、問題なかった。それじゃもう一方の石だなと。
もう一方の石は、どう見ても間違いないと思っていたのだが、数値判定をしているところで、接続が逆だったため、うまく
動かなかった。接続を直したら、すんなり動いた。なんなんだか。
MAX+PLUSIIの回路図入力で、7485の出力がわかりにくかったのも原因だと思う。ALBO、AEBO、AGBOという
表記だった。わからん。Lは多分Lessで、〜より少ないという意味だろうけど、AとBのどっちなんだか。Eはイコールだよ
なあ。GはGreaterだろう。むかしFORTRANのIF文で、.LE.とか.GT.としていたのを思い出す。LEは、Less Than
or Equalの略だったと思う。
ソースを見てもよーわからんから、試行錯誤というか、いちかばちかで、接続を逆にしたらうまくいった。
夜には、ようやく全論理の実装が終わった。2個のアルテラ、どっちも90%まで詰め込んだが、まだ甘いか。
プロだから、「できて当然」なんだけど、やっぱり仕事の区切りがつくのって、とっても嬉しい! ワッホー!!
やばい!! 電気工事の筆記試験、今度の日曜だよ・・・土曜に一気におさらいをしないと!!!!
●2002年7月7日
つい先日、基板が届いたばかり。部品は、揃ってる分から実装した。まだ残りの分が届かない。でも早く動かしてみたい
から、何とかそのへんにある部品で代用して、とりあえず動く状態にした。
ゲッ、なんかわからんが、アルテラが書けない。問題発生!!
いや最初は書けたのだが、動かないので再度書き込みを試みたら、書けなかったのだ。エラーが出て進まない。困った。
配線に間違いが無い事は、回路図を描いた時にも、バラック試作した時にも、アートワーク時にも確認した。だから間違い
ない。最初の1回は書けたのだから。
●2002年7月13日
ふっふっふ。つい先日から動いてるぞ。
アルテラの書き込みでトラブって、デバイスを何個も昇天させてしまった。書き込みでベリファイエラーが出たら、もう次の
瞬間には異常に熱くなってブチ壊れるのだ・・・。
QFPリワークツール(熱風機)は無いので、カッターで足を切って取り外し、ハンダ吸い取り線でパッドをきれいにして、
アルコールで洗って、またハンダ付け、書き込み、エラー、過熱、破壊、交換、・・・while(1)
AとBのどっちが壊れているか、Aが熱いから壊れているんだろうけど、ひょっとしてBも壊れていて悪さをしているかも
しれない。だからAだけ交換してもダメだろう。また壊れるかもしれない。うーんどうしたらいいんだろう。
さっき昼寝していたら急に電話が鳴り、眠くて超サイアクバッドコンディション、SINPOコードで言えば11111か。
今回の基板は、2つのアルテラがお互いにつながっているから、どちらかがおかしくなって、出力同士がつながるような
事になれば、デバイスが破壊されてしまう。厄介な事だ。
基板検図は間違いなかったのだが、いや、もしかして間違いがあるかもしれないと思って、またパターンを1本ずつたどって
全部確かめた。間違いは、なかった。プロジェクトは、行き詰まった・・・(田口トモロヲ風)。
書き込みのJTAG信号をオシロで見ようにも、最初からエラーが出て進めない。データがどこで化けてるのか探せない。
最初ちょびっと出る信号をトリガでひっかけて見て、うーんおかしくないんだがなあと、そんな調子。こんなこと、いつまで
やっていてもらちあかんねん。
最初にオシロで見たときは、ハッと気づいた事があったね。アルテラのデータシートに、JTAG書き込み回路の例があって
「この通りに作ればまず間違いないだろう」と思うよね、普通。それがダメなんだ。プルアップ1キロじゃ、Lレベルが浮いてし
まうよ! それは実際にオシロで見るまで思いもしなかった。回路例があるんだからその通りに作るもんだと思っていた。
またアメ公にやられてしまった。
AとBのチップを指でさわってみて、異常に熱い方が壊れていると判断して、とりはずした。Aが壊れているようだった。
Bだけを単独で動かしてみた。あっ動いてるよ・・・。画面表示用のチップだから、結果が容易に確認できて助かった。
しかしだ、このBが裏切り者って事も考えられる。Aの出力ピンに対して、生意気にもBから出力している(異常)ような
ピンは無いか、1ピンずつしつこく調べた。Aを除去した後のパターンにオシロを当てて、Aの出力ピンにBから信号が
来ていないか確かめた。たとえばオープンなら指でふれてみるとわかる。そうやって目と手と執念で全部確かめた。問題は
なかった。
これなら、Aを実装しても一応大丈夫だ。あとは書き込みがうまくいくかどうかが勝負だ。
最初からワンチップにしておけば、パターンも簡単だったし、こんな問題も無かったんじゃないか。いや、手持ち部品だけで
何とか挑戦してみようという事だったから、これはこれでいいんだ。
アルテラのカタログの表紙だったか忘れたが、基板上のデバイスが全てアルテラになっているのがあった。こんな基板も
珍しいもんだ(ヤイ、1個ぐらいザイリンクスのせろ)。
こんなふうに、複数のデバイスをつないで、書き込みをする事もあるはずだ。だから、できなきゃおかしいんだよね。いま、
この問題を克服しておかなければ、将来そんな基板をやる時にまたハマってしまうかもしれない。
じつは、この問題はユニバーサル基板で作っていた頃、すでに気づいていた。だけどその時は、こんなグチャグチャの基板
で、しかもAとBの間をフラットケーブルでのばしてるから、書き込みエラーするんだろうと思いこみ、深く調べなかった。これが
まずかった。もっと追究しなければならなかった。もっともっと現実を見ればよかった。深く反省。
JTAGの配線なんか、マニュアル通りだろとしか思わなかったもんね。甘い!!
結局、Bが生きていたので、Aだけ単独で書き込みができるように、パターンカット&ジャンパー線で修正し、Aの書き込みは
成功した。
チクショーメ、あのアルテラの表紙の、アルテラだらけの基板はウソだろ。書き込みエラーして、出力同士が衝突したら、
デバイスがイカレて、何が何だかわけわかんなくなるぞ!! あらかじめ書き込みをしてから実装せにゃならん。それじゃ
ISPじゃないって・・・。
セミナーには何度か行ったことがあるが、他社と比較での優位性とか宣伝、最新技術のPRばかりじゃなくて、こういう、
どろくさい世界もやってほしい。モノが動けば、色気を出して最新技術とか使ってやっても良いが、モノが動かなければ
何にもならない!!
これから新しく導入する人のための、基礎をやる時間も設けてほしいもんだな。
しかし近年は、博多でのセミナーは無いみたい。うーむ。以前も、代理店などから、参加人数をかき集めるのが大変とか
だったのだが。九州は少ないので大変なんだな。
そういえばザイリンクスのデバイスでも書き込みトラブルは経験したぞ。もうずいぶん前。
あのときは、ISPケーブルじゃなくて、シリアルROMだったんだが、新しい試作機が全く動かなかったわけだ。げげーん。
どうしよう、窮地に追いつめられた(田口トモロヲ風)。
たしかシリアルROMエミュレータでは動いたんだよな。しょうがないから、これをブラーンと、付属品で付けるかって、をいをい。
シリアルROMエミュレータは、いまでこそ市販されているが、当時はTTLと窓付きEPROMを組み合わせて自作したもの
を使っていた。商売になるんなら、あのときに売り出しておくんだったよ。
OTPのシリアルROMを使っていたら、修正のたびにゴミになってもったいないからな。そういうニーズがあったわけだ。
結局、メーカに聞いたら、「コンデンサつけてください」という回答で、電話で何ピンにどのくらいの容量のコンデンサをつける
のか教えてもらって、その通りにしたら動いたよ・・・。
それでも心配で、上司から、「おまえ、1000回ぐらい電源ON/OFFサイクルしろよ」と、ひたすら手動で、スイッチを操作し
続けて確認した覚えがある。
話は変わるのだが、宝の持ち腐れ。
ビデオ信号を観測するために、いわゆる「ラインセレクター」というモノが必要だと感じていた。特定の走査線の波形のみを
見る事ができるのだ。特定の走査線の波形のみを見る必要がある。スーパーインポーズ部分のみ見ようと思っても、ライン
セレクターが無かったら無理だもんね。
書籍やWebで、いろんな製作例を見ていたが、うーむ、本体のデバッグが大変なのにこんなの作ってるヒマねーよ。
とりあえず、100IREフルカラーバー(縦縞なのでほとんど全部の走査線が同じでしょう)を利用して、波形を観測していた。
そういえば、テレビ用のトリガ設定は無かったかなあと、いろいろいじくっていたら、Lineという項目を発見。
なんだろLineって・・・AC電源ラインに同期したやつか?などとトボケていた。FUNCTIONツマミを回すと、この数字が
変化する。それに合わせて、波形が1個ずつズレる。
むむっ・・・、これってもしかして、ラインセレクター?(笑)
ごめん岩通さん!!
このオシロ3年ぐらい使っているけど、こんな便利な機能を入れてくれていたのに、いままで気づかなかったよ!!
これじゃあ、メーカーの人たちに申し訳ない。便利な機能に気づいたので、今日からは活用していこう。
まさに、いままで宝の持ち腐れだった!!
大ボケは、お前田!!
個人的にはテクトロのほうがいいかなと思うんだが、これを買った当時は岩通のBRINGO(DS−8812)のほうが安かった
し、プリンタやフロッピーも標準装備だったから選んだ。
ひとつ不満を言えば、入力端子が絶縁されていないから、電話回線の信号を見るときにハムが入る事やね。内部のスイッチング
電源か、ラインフィルタのところでシャーシGNDとつながってるんだろう。電話回線の観測時には、絶縁トランスが必要じゃん。
あのテクトロの、電池で動くやつ、あれが電話回線用にはピッタリなんだがなあ。
●2002年9月19日 保留
「ひみつ3」が行き詰まった。
あと一歩で完成だったが、この一歩は大きく、深すぎる一歩だった。
連日連夜の追究の末、ゲンロックの出力周波数の問題だという事がわかった。
ノンインタレース入力では周波数も表示も正しかった。
だがインタレースでは、周波数が高めになり、文字がギザギザになった。
男は、問題箇所の切り分けをした。
どちらの回路が問題なのか、調べ尽くした。
水平同期をふたつの回路が使っていた。
ひとつはゲンロック、もうひとつは(水平垂直)タイミング回路だった。
ノンインタレース入力では正常だから、タイミング回路は問題なかった。
ゲンロックだ。
インタレースとノンインタレース入力で結果が異なる。
そうだ。その違いは、切り込みパルスか。1/2Hのズレか。
波形を見ながら、いくつもの回路を試した。
しかし、ことごとく敗れ去った。
男は、あきらめなかった。
「これは、自分の力でなんとかなる世界だ。絶対なんとかなる。あきらめない。」
自らを励まし続けた。
大金をはたいて、ロジアナを買った。
もう後戻りはできなかった。
自らを精神的に追い込んだ。背水の陣だった。
穴があくほど波形をにらみ、いくつもの仮説をたて、回路を組んだ。
しかし、問題点は一向に改善しなかった。
プロジェクトは、行き詰まった。
・・・・・・大変、弱っています。なんでうまくいかないのかわかりません。
いま考えられるすべての手は尽くしました。
こんな難しい話、相談できる相手は周囲にいません。
論理から基板まで全部ひとりでやってきたのに、完成までのあと一歩が、
どうしても、どうしても、進めません。
足を必死で動かしているのに、ちっとも前に進まない夢を見るぐらいです。
困りました。
これ以上こだわって、続けていても時間ばかりが過ぎそうです。
●2002年12月4日
ふっふっふ。まだ、あきらめていないのじゃ。