回路図集3
ここでは、参考資料として、さまざまな機器の回路図を掲載しています。
これらはあくまでも技術的興味に基づく参考資料であり、これを製品などに実施した場合の問題に関しては一切責任を負いかねます。
個人的に独自に調べた(または設計した)ものであり、内容の保証はできません。また、これらに関する質問にはお答えできない場合が
あります。
(1)フリーテニス審判機
これは1998年頃に、友人の依頼により設計製作したものである。
珍しく、人の役に立った製品だ(笑)。昼休みのレクリエーションでおおいに活躍したとのこと。
まず、アイディアを練った時のメモ2枚。
次に、回路図と、ソースプログラムのリスト(一部)を示す。
そしてこれが、現物の写真。
安物のスキャナだから、立体物は難しいね!
裏側の配線は、こうなっています。コンデンサと抵抗は、PICの発振回路用ね。
回路図とプログラムは、あえて開発途中のものを掲載しました。赤ペンの書き込みを見ていろいろ想像してみて下さい。
回路図中に、赤ペンで「LPF付けてチャタリング防止」なんて書いてあるが、ソフトでチャタリング除去すれば別にコンデンサ
なんかいらんのだけど。このときは、そういう知恵が回らなかったらしい。
7セグのスキャン信号とキーのスキャン信号を兼用しているのは常識だね。これは昔の電卓から得たヒントだった。別のところ
に書いてるけど、電卓のキーをいくつか一緒に押すと、7セグに面白いパターンが表示される事を発見したのがきっかけ。
それと、このプログラムは割り込みを使っていない。というのは、これを作った頃はPICの使い始めで、タイマーやらに慣れて
いなくて、とりあえず動くモノをデッチ上げる事を優先したようだ。
だから、キーを押している間、表示が消える(笑)。キーが押されたら、ある時間後、キーが離されたかどうかチェックし、押した
ままならループするような、変な作り方をしている。
この装置の欠点は、7セグを使っているため電池寿命が短いということだ。最初から液晶を使えと言われそうだが、やはり、
デッチ上げが優先だった。まだ液晶ライブラリを整備していなかったのだ。
電池寿命に関しては、これを「出荷」したときに付けた電池が、この装置が引退して私の手元に戻ってきたときに、まだ装着
されていた。どのくらい使ったか、わかんないけど結構もつんじゃないの?(いい加減)
できれば、外部にでかい7セグ表示器(リレー式電卓で使ったような)を接続したいとも考えていたが、しょせん昼休みの遊び
だから、そこまでやる必要はなかった。
フリーテニスのルールは知らないし、やった事もないが、お得意先?(笑)からの説明をもとに論理を組み立てた。
「位置」ボタンを押すと、4つのLEDが順繰りに点灯する。これはサーブの位置を示している。得点が入った時にも場所が変わる。
「左得点」および「右得点」は、それぞれの得点が入るたびに押す。6点になると、チェンジコートで左右が入れ替わる。
「クリア」は初期状態に戻す。これは不要だったかも。電源スイッチ入れ直せばいいし・・・。
まあ、わざわざこんなモノ作るか?という感想もあるかもしれないが・・・一応、役に立ったのは間違いない。
(2)盗聴器
秋葉原に行ったとき、実際に店で売られているのを見たが、色々な形があるものだ。
電卓に擬装したものとか、あるいはテレビ番組などでよく見かけるコンセントの三つ又、テーブルタップもあったし、電話の保安器
のヒューズの形をしたものもあった。
この中身はどうなっているんだろうと思ったが、なにしろ高くて買えない。実際に使う予定もなく、ただ、中身を見て満足するだけ
だから何万円も払えない。
それならと、とりあえず、それらしいモノを作って満足しようと思った。
かなりインチキな回路だが、電話のふたまたコネクタに内蔵するために最小限の部品に抑えた。その回路を次に示す。
ラ製あたりからひっぱってきた、1石FMワイヤレスマイクの回路を、電話回線に直列に入れてみた。これで、音声電流により
変調がかかるだろうという、かなりいい加減なものだ(笑)。
もちろん、実験は疑似回線(TAをNTT回線に接続しないで、内線機能で代用)にて行った。
性能は、こんな回路だから、当然遠くまで飛ばなかった。せいぜい50センチぐらいだったと思う。コイルもいい加減だったから、
FM放送帯のいたるところにキャリアが出ていた。
おまけに、内線のもう1台の電話機からかけて着信した時、こいつはぶっ壊れてしまった(笑)。電源にツェナー入れとけばよかっ
たな。ある電圧以上になればスルーするように。
保護も何も考えてなかったし、まあ、実験して自己満足に終わったわけね。いかに小さく作るかという事だけでした。
(3)テレビの垂直回路
某リサイクルショップで、500円で買ったジャンクのテレビ。
電源を入れてもつかなかったが、中を開けたらなにやら転がり落ちた。見るとICで、型番によれば垂直回路のものだった。
ハンダが割れてはずれていたのだ。なんてマヌケなんだろう。
おまけに、このICにつながっているヒューズ抵抗まで切れていた。たぶんハンダ割れの過程で、どれかのピンが浮いた事により
過大な電流が流れたんだろうか。そのへんを検証するために、この回路図をデータシートから写しとった。
ヒューズ抵抗と、このICを近所の電器店を通じて購入した。あわせて1000円だった。
それで映るようになったが、ブラウン管自体が磁気を帯びていて、カドの色が少々ヘンなので消磁を専門店にお願いしたが直らず。
(4)ディスプレイ信号分配機
これは4〜5年前に作ったものだが、知人からの、PC−9801のディスプレイ信号を2分配したいというリクエストにこたえたもの。
いま見ると、ディスクリートでかなりムダな回路だなあと思う。ビデオ信号分配用のICだってあるのにねえ・・・。
たぶん当時は、そのICを買うのにも、送金の手数料と送料が合計1000円かかるから、手持ちの部品だけで作り上げたんだと
思います。
部品は、みんなそこらへんに転がっているものばかりです。古いテレビなどの基板から取っても揃うかもしれない。
回路図をみると、トランジスタとツェナーで+12Vを作っている。レギュレータも在庫なかったのか(笑)。
今なら、秋月オリジナルの12Vスイッチングアダプタがあるから、それを使えば5Vのレギュレータだけで済むだろう。
基本的に、回路は、おそらくトラ技のバックナンバーをひっくり返しながら拾ってきたんだと思う。
ビデオ信号の分配について。
ビデオ信号を2つに分けるには、単純に2台のテレビを並列につなぐわけにはいかない。なぜかというと、信号のレベルが約半分に
なり、画面が暗くなってしまうからだ。
テレビ側では、75オームで終端しているので、それが2つ並列になるから抵抗値が半分になり、つまり電圧も半分になるわけだ。
ソース側のインピーダンスが75オームということもお忘れなく。
だから、バッファを入れて分配しなければならない。
同期信号HSYNCとVSYNCは、TTLレベルなので74F244で分配した。回路図にはF240と書いてあるが、論理的には244でも
同じだ。
回路図を示す。B4版の半ページずつに分けた。
左のは、回路図というよりブロック図だが・・・。
6dBというのは、説明するまでもないが電圧2倍ってことね。2倍にして送り出し、ソース側の75オームと、テレビ側の75オームで
分圧することで正規の信号レベルになるわけ。
余談だが、75オームはE12系列に無いから、68オームで代用して、自分で使う分はごまかしたような気がする(笑)。
ところで、上の回路図ではバッファが6つもあるが、うまくやれば3つで済むと思う。バッファのドライブ能力が十分あれば、2系統
ぐらい大丈夫かも。
それぞれの出力ごとに75オームを入れる。
トラ技なんかから回路をひろってきて、ツギハギをするとムダな部分もあるからよく吟味しないと!