回路図集2
ここでは、参考資料として、さまざまな機器の回路図を掲載しています。
これらはあくまでも技術的興味に基づく参考資料であり、これを製品などに実施した場合の問題に関しては一切責任を負いかねます。
個人的に独自に調べた(または設計した)ものであり、内容の保証はできません。また、これらに関する質問にはお答えできない場合が
あります。
(1)電話の秘話アダプタ
これはボロかった。
自分のと知人のと2つ買ったが、最初から動かなくて困った。中を見たらハンダ割れしてるしぃ・・・(全体的にハンダ付けが良くない)。
しょうがないから、ハンダをやり直した。なんてボロなんだクソったれ。ゴルァ!正体見せろ!!
ページの左上隅の模様は、水性インクが濡れてにじんだ跡です。クロマトグラフィーってやつだね。黒といっても、いくつかの色の組み合わせ
ということだな。このノートは、1996年頃、通勤時にアイディアを練るのに使っていたもので、雨の日にカバンに水が入って濡れたと思う。
上の回路図は読みづらくてすまぬ。トランジスタみたいなのは、型番が国内のものではなかったが、たぶんサイリスタだと思う。
なんで「秘話」になるかだが、回路をざっと見た感じでは、線間の電圧が高い、つまりどの電話機もオフフックになっていなければ、最初に
とった電話機のみ電流が通じる仕掛け。
もしどれがひとつの電話機がオフフックなら、線間の電圧が、たしか実測では12ボルトぐらいなんだよね・・・48ボルトに比べて低くなるから
サイリスタがONしないので他の電話機に電流が通じないわけだ。
秘話アダプタが無いと、モデムで通信中という事を忘れて、並列接続の電話機を上げてしまって「シャー」という音で、あわてて戻したりね。
まあ、あると便利ですよ。いや、モデム使ってる人少ないかな・・・。
そういえば、最近のモデムは併設電話ジャック(TEL)につないだ電話機の切り換え回路って無いね。LINEジャックとTELジャックは、単純に
モデム基板上で並列につながってるだけ。コストダウンでしょうけど・・・。
おかげで、TELジャックにつないだ電話の受話器をうっかり上げると、シャーという音がして、あっ、しまったと思う。
切り換えを付けようとするとけっこう部品がいるんだよね。回線の電流を監視して、併設電話が通話中ならモデムはオフフックしないように
するとか、モデムがオフフック中なら、併設電話がつながらないようにするとか。フォトカプラとリレーと、その関連で部品がいります。
(2)電話交換機のトーン発生回路
これは自分で設計したものです。
1996年頃だったか、モデムの実験に使えるような疑似交換機を作ろうとしていた。電話回線の勉強も兼ねて。
まあ、その後、会社から簡易型の疑似交換機を借りる事ができたし、それに自宅には余分なTAがあって、それの内線機能も使えたし、
「三角電伝」も買ったもんで、結局、このトーン発生回路だけ作っておしまいだったんですね(笑)。
わざわざICを組み合わせてトーンを作ってますが、ワンチップマイコンでもできそうですよねえ・・・。いかにICの数を減らすかに挑戦していた
ような記憶があります。
音は、矩形波だから実際の電話のトーンとは少々違った感じに聞こえました。フィルタを通してつぶすか、面倒だけど正弦波の発振回路を
作るか(8038あたりを使って)でしょうね。本格的にやるなら。
回路図は、これです。
設計していたときのノートの内容です。
1秒ON、2秒OFFのタイミングを作るためには、2:1ジョンソンカウンタ、モジュロ3というのがポイントですね。
(3)ディストーション
ディストーションは、エレキギターをやっている人なら使っているでしょうね。エフェクタっていいますかね。ワウペダルとか、フェイズ
シフターとか、ほかにも色々あります。
たまたま訓練校で知り合った人から、こいつを改良してくれと相談されて、サンプルを分解して調べました。授業の合間の休み時間に
ごそごそ作業しました。
左が基板パターンを写したもので、それを整理して回路図にしたのが右のものです。
やばい、基板から外の部分の配線を全部書き写すのを忘れている(というか、基板自体の改良だったから外は調べなかった?)。
基板の外には、押しボタンスイッチと、ボリューム2個に、電池(9V)がつながっていた。
この装置は、演奏中にスイッチを足で「けったくる」(長崎方言:蹴る)ため、ケースはアルミダイカストだしスイッチも丈夫なものを使って
いた。
ところで「改良」はどうなったかというと・・・本人の自宅まで行って試したんですが、「いまいち」との事でした。うーん、音の違いなんか、
音痴の私には分からないんですけど・・・回路は単純だけど、このへんが難しいんですねこの分野は。
エレキの雑誌を見せてもらいましたが、エフェクターは、通販でけっこう売ってるんですね。回路的にはこの位のものなんだろうけど、
それが3万とかで売ってるし。
バンドのメンバーに、電子回路に強い奴がいてこういう物をこしらえたりする事があるようだ。そういえば、誰も知らないかもしれないが
旧ソ連に「スプートニク」というバンドがあった。うちの母が持っていた古いレコードで、中の紙を見たら、メンバーの一人がアンプとか
色々こしらえて活用していると書いてあった。こんなふうに、音楽と電子回路と両方通じていたらいいんですよね。
古いレコードといえば、寺内タケシの「運命」というレコードがあって、こりゃなんだと、当時ガキだった私は聴いてみました。これは、
ベートーベンの「運命」をアレンジしたものです。もう忘れましたけど、なんかエレキをかき鳴らしていたような感じでしたが。
どうでもいいんですが、そのレコードの裏面は、やはりアレンジ曲で「未完成」でした。ガキで何も知らなかったんですが、曲が途中で
終わるのでやっぱりタイトル通り、未完成なのかなーと当時思いました。
電器店の息子だった寺内タケシが、9才のときにエレキを発明したそうです。電話機のコイルをはずしてギターにくっつけて、自宅に
あった放送用(空襲警報用)のスピーカーにつないでジャンジャン鳴らしていたそうです。それが戦時中の話。
他にもエレキを発明したと主張する人がいます。ひとりは、ちょっと電波系?かな。瞬間湯沸かし器も自分が発明したとか書いてたし。
さてその後、とりあえずハンダ付けの腕だけ見込まれて、エフェクターのキットを作ったのでした。これは「ワウペダル」のアップグレード
というか、中の基板だけ取り替えるわけなんだが、英国のキットだったかなあ。マニュアルが英語だし、内容がけっこうアバウトで、製作
よりも解読に手間くってしまった。
報酬は、小さいギターアンプ(スピーカ内蔵)をもらったが、9V電池を使うのには驚いた。そんなのすぐなくなるじゃん。せめて単3電池
にしろよ〜と思った。スペース的には、入らない事はないようだったが。
あと、ギターアンプはチューブ(真空管の事)に限るという事だった。MATCHLESSが欲しいとか言っていて、雑誌の紹介記事をみると
50万だったか・・・「全てハンド・ワイヤード」(手配線)なんて書いてあって、真空管ラジオを知ってる自分は、そんなの当たり前だと思う。
プリント基板が無ければ手配線でしょう。知らない人は「スゲェ」とか思うんだろうな・・・。
そうそう、その人と「テルミン」の話もしました。
1997年頃、「テレビ特捜部」で「テルミン」が紹介されたのを見ましたが、確かその後、テルミンがブームになったような気がします。
あれは昔のラジオを知っていれば別に不思議な現象じゃないんですが、いわゆるボディ・エフェクトってやつですね。ラジオに手を近づけ
たり離したりすると音が大きくなったり小さくなったりする。
それに関連して面白いと思ったのは、FMワイヤレスマイクの実験をしていた時のこと。マイクがつながってないのに、振動を拾って
カン、カンという音がラジオから聞こえる事を発見。
なんでかというと、スズメッキ線を鉛筆に巻いて作ったコイルを発振用に使っていましたが、そいつが振動を受ける事で「周波数変調」が
かかったわけです。コイルをのばしたり縮めたりすると周波数が変わりますから。
このことから、発振コイルを直接マイクの機構として組み込めば面白いんじゃないかなと思います。実用性は別として。
それと、「ワウペダル」の回路図、というか、基板パターンを書き写したメモ程度のものですが、発掘しましたので次に示します。
トランジスタの型番が、聞いたことないようなものですが、外国製ですから・・・。
(4)サージアブソーバー
こいつには、ちょっとだまされました。正体見せろ!!
一応、メーカー名と型番はつぶしておきました。
これはコンセントに取り付けて、これ自身のコンセントの口に機器のプラグを差し込む形式のものです。厚さは2センチぐらいあったし、
中身が詰まってると思ってましたよ。
普段はネオンが光ってるんですが、バリスタが雷の犠牲になると消灯するというものです。回路を見ると確かにそうですね。
トルクスネジというんですか、プラスとかマイナスじゃなくて、星形になっているネジだったので、ドライバーをあとになって入手するまで
こいつの中身は詰まってると思っていたのですが・・・。厚さのわりに中身は基本的にバリスタ1個なんて、はあ・・・。
それらしくアース線が出ていたんですが、これは単に、3極コンセントの口のアースピンがつながってるだけです(回路図参照)。
これはポイして、代わりに、TDKのノイズフィルタ(これもコンセントに取り付けるタイプ)を使いました。これはさすがに中身もちゃんとしてるし、
ブレーカも付いていてGOOD!
(5)100円ショップで買ったラジオ
電卓もラジオも100円だって、最初驚きましたよね。キッチンタイマーも、結構しっかりした作りなのにこれも100円!(もっとも、フタを
あけるとブザーの線が切れそうだが)
つい半年ぐらい前、近所に100円ショップができたので、AMラジオとFMラジオ、それにイヤホンを買ってきました。
さてバラして回路図でも・・・と思ったら、すでに解析して回路図を掲載している方がおられたので、無しにします(笑)。
ここをご覧下さい。まるでラジオキットかと思うぐらい完全にバラして、部品を並べた写真もあります。
部品代だけ考えても、100円で作るのは無理っぽいですね。さすがにイヤホンと電池は別売りですけど。
AMラジオは、スーパーへテロダインにしなくても、2石レフレックスとか、1石ストレートのほうがコスト的には安いんじゃないかなと
思うけど、あえて、スーパーにしてるところが大したもんだねえ。100円で、ここまでやれるんだ!という主張があると思う。
ゲルマラジオにしろよ(笑)。
むかし、おもちゃの双眼鏡の中に、ラジオが組み込まれてるのがあった。これはLA1050あたりを使ったストレートラジオでしたけど
タダの景品ならこのくらいのもんだろうなと思ったね。「使い捨てラジオ」というものが出た事もあった。ついにここまで、バチあたりだなあ
と思ったけど、当時1000円ぐらいはしていたと思う。まだ実家にあるかもしれない。
本当に、原価いくらぐらいなんだろう。ひょっとしたら原価ギリギリ99円で、なんとか利益1円確保してたりして。あるいは、他の商品で利益
を出して(イヤホンとか電池を一緒に買う)、本体は赤字だったりして。
ハンダ付けの品質もなかなか良いのには感心したけど、性能は100円だったね。とくにFMはチューニングがクリティカルで、微妙な
ダイヤル加減が要求される職人芸的なラジオだ。
パーツ取り用にしても、お買い得なラジオだと思います。10個買ってドミノ倒しするとか、バカな事をするのもあなたの自由です(笑)。
ところで、100円FMラジオに使われているIC(LA1800)のデータシートを調べたら、面白い事がわかりました。これって、FM/AM
兼用なんですね。15ピンを開放にするかGNDに落とすかで、バンド切り換えになるようです。
ただ、両方の外付け回路(バーアンテナ、コイル、トランジスタ等)を備えるには、やはり部品点数つまりコスト的に難しいでしょうね。
2連バリコンがいるでしょう。FM単独だったらトリマーみたいなバリコンで済むから安上がりだな。
よその解析ページで、なんでこのICで2バンドラジオにしなかったんだろうと書いてあったけど、やっぱりコストでしょうね。そして、
もしこの基板サイズなら、部品が載りきれないと思います。
AMラジオ単体でも、このICを使えばいいのにって思ったけど、よく考えたら、トランジスタ3石のほうが安かったのかもしれない。日本製
のICより、中国の現地調達で安いトランジスタでも買ったのかね?
データシートによれば、このICには「ミューティング」機能があるようだ。このラジオは、常にシャーという音がして耳障りだし、改造するか
・・・と思ったら、すでにMUTEピンにコンデンサがつながっていた。
それと回路図をよく見たら、ICのピン数がデータシートと違う。データシートでは22ピンだが、ラジオのは24ピンになっている。ラジオの
2本余りピンは、ハンダ面をみたら無接続になっていた。このピンを数えないようにすれば、データシートと一致する。
なんか混乱したなあ。
(6)RS−232Cチェッカー
これは5〜6年前に作ったものです。いまの時代、レガシーデバイスですが、まだ役に立つところもあろうかと思います。
作った当時は、パソコンのRS−232Cに出入りする情報を見たい!という欲求がありました。どんなデータをやりとりしているんだろう、
のぞいてみたいと思いました。トラブルシュートの時に活用できますからね。
Windowsが起動する時に、外付けモデムのLEDがチラチラするでしょう。あれは何をやってんだと思いましたね。それとハードウェア
ウィザードで、モデムを認識させる処理の内容。どんなコマンドを送っていてどんなレスポンスがあるのか、のぞいてみたかった。
当時、とくに役に立ったのは、パソコンのマザーボードからCOMポートへの接続でトラブったときです。いまはほとんどオンボードで、
コネクタが基板上についていますが、かつては、基板からケーブルをのばして、筐体にコネクタを取り付けていました。そのケーブルが、マザー
ボードのメーカによって配線の仕方が違うんです。はじめての時はそんな事とは知らなかった。
ピンの番号順につないでいるのもあれば、Dサブ9ピンをイメージしながら考えて欲しいんですが、上、下、上、下、の順でつないでいる
のもありました。
ジャンクで、そのケーブルを入手したのがどうしても動かなくて、一時悩んでいたわけです。なんでだろうって最初思いました。そういう
時にこいつをつないだら一発でわかりました。
次の写真にあるように、各信号のプラスマイナスがLEDの点灯でわかるようにしています。ここまでなら、1000円もしないチェッカーが
売られていますよね。
左側のI/Oというコネクタは、上下どっちでもいいんですが、たとえば片方がモデムで、もう片方がパソコンにつなぐわけです。もし9ピンの
時は、右上のI/O 9Pというコネクタにします。
もし通信内容をモニタしたければ、別のパソコンを端末として、MONITOR端子に接続します。ここに接続するのはストレートケーブルで
良いです(この箱の中でクロス接続していますから)。そしてターミナルソフトを起動すればOKです。おお!簡易ラインモニタだ!!
ただ、TXDとRXDのどっちをモニタするかの切り替えスイッチは付けてませんね。忘れてますね〜(笑)。
(回路図中に、切換ポイントって書いてはいるが、不要だったのか、あるいは手抜きしたらしい・・・)
回路図を次に示します。
これとは別に、「そのケーブルがストレートなのかクロスなのか判定する装置」も作りました。原理は簡単です。Dサブ25ピンの場合、2ピンと
3ピンがTXD、RXDですよね。
ストレート接続は、2ピン同士、3ピン同士をつなぎます。クロス接続は、この2−3ピンを相手側の3−2ピンにつなぎます。
つまり2ピンを電池のプラス、3ピンを電池のマイナスにして、相手側はLEDを2個、お互いに逆につないでおいて、それと抵抗をかませて、
これだけです。どっちのLEDが点灯するかで、クロスかストレートかがわかるカラクリ。なんか、ばかみたいでしょう?
でもね、ばかにできないんだなこれは。ノーブランドのRS−232Cケーブルがあるでしょう?あれは、あえてクロスとかストレートとか書いて
ないことが多いんですね。仕事で、ケーブルを大量に購入していたんですが、こいつを作っていたおかげで、商社が品物を間違っていたのを
見抜く事ができました。
例によってタカチのプラケースに、Dサブコネクタの穴をあけて作りました。この穴が結構大変なんだね。だからプラケースにしたんだけど。
中に電池ボックスを内蔵して、LEDと抵抗と、これだけです。現物の写真を掲載したいところですが、前にいた会社に置いてきてしまいました。
(後日記) 写真が出てきました。
左の写真を見るとわかるように、9ピンと25ピンのDサブコネクタが付いています。主に、右の写真にあるような
9ピン−25ピンのケーブルを対象としたチェッカーというわけです。
真ん中の写真を見れば、あまりにもローテクで笑ってしまいますね。
最近は海外製のケーブル(右の写真)が多く、安いのはいいのですが、クロスとかストレートとか書いてないのもあり
仕入れた時の受け入れ検査で、いちいち確かめるのが大変でした。ストレートが欲しいのにクロスを納品されて、
たいへん困った事があるのです。